木星
月食の観望中、南空に木星が輝いていた。木星の観望シーズンもそろそろ終わりに近づいている。南中する頃を狙って木星の撮影にトライした。ちょうど大赤斑が正面に見えてきた。
・対象データ
木星
・撮影データ
撮影日:2022年11月11日 21:09
撮影地:星見庵
露出時間:20ms、Gain:60
フレーム数:1250/5000
カメラ:ZWO ASI120MC-S、フィルタ: UV/IR-Cut Filter
望遠鏡:BORG 125ED 125mm F6.4 (Explore Scientific 1.25 3x Focal Extender)
赤道儀:U-150赤道儀(NS-5000)
撮影ソフト:SharpCap 4.0
画像処理ソフト:AutoStakkert、ステライメージ9、PixInsight、Photoshop
惑星の画像処理と言えばregistaxが定番と思っていたが、なぜかregistaxで読めないファイルがあった。そこで、ネット検索で見つけたのがAutoStakkert。registaxで読めなかったファイルが読めた。
AutoStakkertはスタック処理しか出来ないので、画像の鮮鋭化にはregistaxなどほかのソフトウェアを使う必要がある。ただ、使い方は簡単で、設定値はデフォルトのままでも使えた。Alignment Pointsは"Place AP grid"ボタンで自動設定してくれる。スタックのフレーム数は枚数、または割合で指定できる。また、"Sharpened"にチェックを入れるとスタック時にシャープ処理を施したファイルが別途作成される。ツールチップでは"for previewing"と表示されるが、この画像、意外と優秀だ。
AutoStakkertはスタック処理しか出来ないので、画像の鮮鋭化にはregistaxなどほかのソフトウェアを使う必要がある。ただ、使い方は簡単で、設定値はデフォルトのままでも使えた。Alignment Pointsは"Place AP grid"ボタンで自動設定してくれる。スタックのフレーム数は枚数、または割合で指定できる。また、"Sharpened"にチェックを入れるとスタック時にシャープ処理を施したファイルが別途作成される。ツールチップでは"for previewing"と表示されるが、この画像、意外と優秀だ。

鮮鋭化にはステライメージのスマートマルチバンド・シャープを使った。RegiStaxに比べ設定項目が少ないので無精者にはちょうどいい。スマートマルチバンド・シャープを使う場合、AutoStakkertで"Sharpened"にチェックを入た画像を元にすると容易に解像度を上げられる(気がする)。
M31(アンドロメダ銀河)

2フレームのモザイク合成
北半球で唯一肉眼でも見える銀河がM31、通称アンドロメダ銀河です。私たちの天の川銀河と局所銀河群を構成しています。局所銀河群の中では一番大きく銀河群の中心的存在です。ただ、年齢的には天の川銀河より若いと言われています。
局所銀河群の銀河たちはアンドロメダ銀河の重力に引かれアンドロメダ銀河の周辺に集まっています。天の川銀河もアンドロメダ銀河に近づいています。遠い未来には私たちの太陽系もアンドロメダ銀河の一員となっていることでしょう。
局所銀河群の銀河たちはアンドロメダ銀河の重力に引かれアンドロメダ銀河の周辺に集まっています。天の川銀河もアンドロメダ銀河に近づいています。遠い未来には私たちの太陽系もアンドロメダ銀河の一員となっていることでしょう。
・対象データ
M31(NGC224)
アンドロメダ座の系外銀河
RA:00h 42m 44s Dec:+41°16'08"
視直径:189.1 x 61.7 視等級:3.5
・撮影データ
撮影日:2022年10月20日~
撮影地:星見庵
露出時間:8時間(4時間x2フレーム)
1フレーム:4時間、L画像: 5mx24(1x1)、RGB画像:5mx8(1x1)
カメラ:STL-11000M、冷却温度:-20℃、フィルタ: Astrodon
望遠鏡:BORG 125ED 125mm F6.4 (マルチフラットナー6x7)
赤道儀:U-150赤道儀(NS-5000)
ガイド:BORG 76(500mm)、ASI120MC-S
撮影ソフト:CCDSoft、PHDGuiding2
画像処理ソフト:PixInsight、SI9 、PsC6
望遠鏡:東
方向:180.0° 北(上)
干潟星雲(M8)と三裂星雲(M20)

2フレームのモザイク合成
銀河系の中心がある射手座の散光星雲です。南側(下側)の散光星雲はM8で、干潟星雲と呼ばれています。電離ガスが発光している輝線星雲です。
北側の散光星雲はM20です。ピンク色の星雲は、星雲が3つに裂かれてように見えるところから三裂星雲と呼ばれています。ピンク色の星雲は干潟星雲と同じ輝線星雲ですが、青色の星雲はガスが恒星の光を反射している反射星雲です。
・対象データ
M8(NGC6523)
いて座の散光星雲
RA:18h 03m 48s Dec:-24°23'00"
視直径:45.0 x 45.0 視等級:30.0
M20(NGC6514)
いて座の散開星団
RA:18h 02m 18s Dec:-23°02'00"
視直径:20.0 x 20.0 視等級:30.0
・撮影データ
M8
撮影日:2022年7月24日 21:29、気温:26.8℃
撮影地:星見庵
露出時間:1.5時間、L画像: 5mx6(1x1)、RGB画像:5mx4(1x1)
M20
撮影日:2022年7月23日 21:22、気温:27.0℃
撮影地:星見庵
露出時間:1.5時間、L画像: 5mx6(1x1)、RGB画像:5mx4(1x1)
カメラ:STL-11000M、冷却温度:-5℃、フィルタ: Astrodon
望遠鏡:BORG 125ED 125mm F6.4 (マルチフラットナー6x7)
赤道儀:U-150赤道儀(NS-5000)
ガイド:BORG 76(500mm)、ASI120MC-S
撮影ソフト:CCDSoft、PHDGuiding2
画像処理ソフト:PixInsight、SI7 、PsC6
望遠鏡:東
方向:180.0° 北(上)
なぜ、干潟星雲?
日本語のWikipediaでは「散光星雲を南北に横切る帯状の暗黒星雲が存在し、その姿が干潟に似ている」と書かれている。干潟とは潮が引いて現れた遠浅の浜ことだが、干潟星雲と言われてもいまひとつイメージが沸かない。英語では”Lagoon Nebula(ラグーン星雲)"と表記されている。Lagoonとは砂州やサンゴ礁により外海から隔てられた水深の浅い水域のことで、潟湖とか礁湖とかに訳される。干潟湖星雲と言われれば、なんとなくイメージはできる。
モザイク合成は簡単?
ネットにあるPixinsightのチュートリアルから比較的簡単なプロセスを参考にモザイク合成を行った。モザイク合成に使った機能はStarAlignment、dnaLinearFit、GradientMergeMosaicの3つだけ。画像の位置合わせから輝度調整まで、Pixinsightが勝手に処理してくれる。LRGBの線形画像それぞれに処理を施すので、手間は掛かるが、モザイク合成処理はPixinsightにおまかせなので、何の苦労もない。